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かぶれのはなし



iconもしも漆にカブレたら・・・icon
 結論から先に言うと、風邪ひきと同じく特効薬はない。しかし、そのままにしておけば3日後には治る。もっともカユイのを我慢するのがいかに至難の業であるか、まだ痛いのを我慢する方かやさしい。だから、つい掻いてしまうからこじれる。カユミ止めの薬を飲むのもひとつの方法であろう。

 そもそも漆カブレとは、医学的にまた、化学的にどんな現象であろうか。それは、漆の主成分であるウルシオール(阪大総長であった真島利行博士が、亀の甲の分子式解を解明された)のOH基が皮膚タンパクのNH2に接触反応すると炎症がおきる。これが漆カブレである。だから漆カブレは、漆の中にカブレる毒素のようなものが含まれていて、それによってカブレるというものではない。
あくまで、主成分ウルシオールそのものか原因である。もちろん個人差かある。

 かって九州大学医学部で、ハゼや漆に触れるとひどくカブレる13名の高校生を、目かくしして右手に漆の葉を「これは栗の葉だ」と言ってすり付け、左手には無名な柴の蘂を「漆の葉だ」と言ってこすり付けた。
その結果、9人までが栗を漆といった左手にだけ皮膚炎が認められ、右手には何の変化もなかった。これは、漆カブレは心理作用の影響することを物語っている。だから、漆を怖がらないのが肝要である。さて、治療法は・・・・・’これにはいろいろあるが、先にもいったように、特効薬はないのである。そこで、簡単な民間治療法を紹介すると

(1)スギナの牲の汁をつける。
(2)渓流に住む沢ガニをすり潰してその汁をつける。


 また、福井県今立郡の「南山村誌」 (昭和12年刊、現在今立町、我が山田家のルーツ)に、当時この地方で言われていた迷信や言い伝えが採用されている。その中に「漆にカブレたら、漆屋さんの飯を少しもらってきて食べると治る。」とある。これは、他愛ない迷信とばかりいえない。すなわち、漆カブレは「なれ」でもあり、多分に心理的要素が関係していることを伝えている。

 その迷信であるが、アフリカにしろ、奥地ニューギニアにしろ、アマゾン流域にしろ、未開地域の迷信や呪術の背後には、現代科学すら知らない莫大な医学的、薬学的な経験的事実が存在するようだ。それらの基盤の上に呪術・迷信が流布しているのである。それは単なる口から出まかせではない。

<出典:山岳おおさかS63.4.1号、山田博利(本組合員、大阪岳連理事、いこいの山岳会会員)>










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