どこの地域で一番よく作られているのでしょうか?【C008】 A:漆器は生活の必需品でしたので経済が発達していなかった頃は全国各地で生産されていましたが、経済が発達してくるとそれぞれの土地に合った産業が発達し現在のようになってきました。 漆器と言いましても、伝統的な古来の手法だけで生産している産地や近代的な手法や材料を使用して生産している産地さまざまです。生産額でいいますと、会津漆器(福島県)山中漆器(石川県)越前漆器(福井県)が生産額で言うと三大産地と言われています。その他、有名な産地としては輪島塗(石川県)木曽漆器(長野県)讃岐漆器(香川県)飛騨春慶塗(岐阜県)川連漆器(秋田県)など色々有りますが、最近では中国、台湾、ベトナム等の輸入品も多くなってきています。全国では漆器連合会と言う漆器組合の団体が加入している産地が全国で20何個所かあります。その産地産地で、それぞれの特徴を持って発達してきた漆器産地ですが、近年の経済混迷の中で、段々産地の特徴が薄れてきている傾向にあります。 有名な産地がいくつもありますが、それぞれの特徴は何でしょうか?【C009】 A:昔はそれぞれの地域を生かした生産方法で色々特徴があったのですが、最近は少しずつ特徴が失われています。産地名はその産地全体で生産される製品全体の総称や、漆器の特徴的な仕上げ方を産地名としている所など色々で、分類は難しいです。主な特徴として簡単に説明します。 輪島塗(石川県輪島市)漆器の総称のように言われていますが、一般の日常使いから離れ美術品的性格が強い。ロクロ挽の品物(椀など)や板物(板を組み立てて素地を作ったもの重箱や文庫など)全般に生産している。蒔絵師や沈金師など特に加飾関係の高級品が多い。 会津塗(福島県会津若松市)板物・丸物両方生産している。庶民向けの安価な商品が多い。生産額も全国1番。 越前塗(福井県鯖江市)業務用漆器(温泉旅館・ホテル・食堂・割烹料理店等)で使われている漆器の全国シェアの90%近く占める。料亭の板場さんなどには定評があるが、一般ユーザーには今一つなじみが薄い。 山中塗(石川県山中町)ロクロ挽の製品で発達してきたが、最近は樹脂製の素地を利用した雑貨(時計やキーボックス等)などが多い。 紀州塗(和歌山県海南市)最近はプラスチック製のお盆が特徴安価な物が多い。 全国に30近くの産地組合がありますが五大産地と言ったら上記産地ではないでしょうか。その他、川連(秋田県)、春慶塗(高山など他全国にある)、京漆器(京都市)、東京漆器、香川漆器、木曽漆器、など沢山あります。 漆が溶け出してアレルギーを起こすような心配はないのですか?【C010】 A:漆の特徴として、乾燥してしまえば酸やアルカリにも強く、又化学塗料の溶剤(シンナー等)にも強く溶け出す事はありません。しかし完全に乾いていないと石油とかガソリンシンナーなどに溶けます。漆は最後の塗が終わってから、通常2〜3日遅くとも1週間ぐらいで出荷できるようになります。諸般の事情ですぐ出荷しますが、完全に乾燥するのには1年ぐらいかかると言われています。お店で気に入った物があれば早めに買い置きされる事をおすすめします。又完全に乾燥してから使われるほうがずいぶん長持ちし利口に使用できます。食べ物のアレルギーと同じく漆などの塗料に対するアレルギーは、個人差もありますのでお気を付けください。 自分で漆塗りを体験出来る所ってあるのでしょうか?【C011】 A:残念ながら我産地「越前漆器」には体験できる所はありません。しかし、全国には漆器産地がたくさんありますので体験できる所があるかも知れません。調べておきます。伝統産業の中でも特に漆器は技術的に難しく、体験できてもほんの一部分の工程しか出来ないと思います。 漆器に熱湯をかけると漆が溶けだしたりして、人体に害を及ぼすようなことは?【C012】 A:漆は自然乾燥で乾くのですが、一旦乾くと熱やシンナーなどにも溶けない不思議な性質を持っています。液体の時(乾く前)は石油やシンナーなどに解けますが、乾燥すると熱や、酸や、アルカリにも強い面白い性質を持っています。通常、他の塗料は溶剤を介して塗装しますので、溶剤が空気中に散乱し公害の原因にもなりますが、漆は溶剤をほとんど使用しませんので、地球に優しい塗料といえるでしょう。漆は化学塗料特有の化学物質も含んでおらず現在のところそのような害も聞いたことはありません。漆器は熱湯をかけたり熱を加えると変色したり変形することがあります。もちろん汁椀などのように熱いものを入れることを想定して作ってある製品に関しては大丈夫です。しかし、電子レンジやオーブンなどを使うのは厳禁です。 漆器職人になるにはやはりどこかに弟子入りしないと無理なのでしょうか?【C013】 A:最近の漆器の製造は工程ごとの分業体制になっていますが、それでも一通り覚えるには3〜5年かかります。前の工程や次の工程、他の工程のことの概略も分かっていないと良い仕事(親切な仕事)は出来ません。一人前になるには十年かかると言われています。最近は弟子を取る「親方」もだんだん少なくなり、また習う人も少なくなってきています。一人前になるには独学だけでは難しいと思います。 椀でご飯を食べるというのは、何か謂れがあるのでしょうか?【C014】 A:江戸時代ごろまでは、一般庶民は木製の漆塗りのお椀でご飯を食べていました。磁器の碗は、壊れやすく一般庶民には高級品でした(今とは逆ですね)もちろん漆器と言っても今とはもっともっと幼稚な品でしたが・・・。磁器の茶碗は産業が発達すると同時に、大量生産が可能になり、いわゆる工業製品として廉価に出来るようになり庶民に普及しました。木製の漆器は今でもほとんど手作りで大量生産が出来ず量産効果が出来ません。それで他の製品と比較して割高感じられるようにになってしまいました。今でも飯碗としての商品はありますし、コンスタントに売れています。