蒔絵という言葉を聞きますが、漆塗りの食器や調度品の絵の事を蒔絵と呼ぶのでしょうか?【B008】 A:絵を表現する方法としては主に二つの方法があります。一つは蒔絵です。漆器の塗表面に主に筆を使って漆で絵を描き、漆の乾かないうちに、金・銀粉等を蒔き乾かします。表現に色々な工程があり奥が深いものです。蒔絵を施した商品画像はこちらです。もう一つは沈金です。漆器の塗表面に主ノミ(刀)で彫って彫った所に漆を埋め込み乾かないうちに、金箔や金銀分・色粉などを埋め込んだものがあります。沈金を施した商品画像はこちらです。 漆器なのにウレタン塗りと書かれたものがあるのはどういうこと?【B009】 A:本来は漆が塗ってあるものが漆器ですが、漆の変わりに化学塗料が使用されているものも漆器と呼んでいます。化学塗料は、価格が安いとか、作業性が楽だとか色々な特徴があり現在多く使用されています。全体的には、下地から漆を使用し仕上げまで漆を使ってある漆器が少ないと思います。漆は天然の木から取れますが、15年〜20年経った木から約200グラムぐらいしか取れず大変高価です。(漆を採取した木は切り倒される)上塗りの漆の種類も色々あり、艶のあるものないもの色々用途により使用します。いわゆるテカテカだから漆塗で無いと言う訳ではありません。もちろん化学塗料(ウレタン塗料等)でも艶のあるもの、無いもの色々あります。見分け方の簡単な方法は?・・・ありません。化学塗料も漆に追いつけ追い越せと漆に負けないものが出来ています。敢えて言いますと値段でみるのが一番です。一般に国内で生産されているものは化学塗料製よりもだいぶん高価です。(中国製など輸入品の中には安価なものもあります)漆塗りは質感が違いますが、漆器に携わっている我々でも見分けは難しいものです。 津軽塗りでもいろいろな塗りの種類がありますが、 越前塗りもいろいろな塗り方があるのですか?【B010】 A:津軽塗りは何回も塗り重ねそれを研ぎ出して模様にしている物が多いですが、越前塗りの特徴は真塗り(花塗りとも言う)で最後の塗りを(上塗り)を刷毛で塗って仕上げるのが特徴で、塗りムラや、塗った面にごみなどがつかないように塗る技術は日本一と言われています。その上塗りをしたところへ、蒔絵(漆を筆で描いて金銀等をで装飾する)や沈金(ノミで塗り面を彫って金銀箔等を埋め込み装飾する)で加飾を施すのが特徴です。勿論、品物によって津軽塗りのような仕上げ方法を取る物も有ります。全国各産地に色々な特徴がありましたが最近、段々特徴が薄くなってきています。詳しくは「全国塗物産地」をご覧下さい。 外国産と国産では漆の質に違いはあるのですか。【B011】 A:漆は日本国産に超したことはありません。しかしながら現在は90%以上を中国からの輸入に頼っています。材木でも、食料でも、自然から取れる物はそこで取れた物が一番だと思います。一番風土に適しています。しかし、うるしの採取は過酷な条件の中で行われており昔ながらの方法で採取していますので人件費もかかること、一本のうるしの木から約200グラム程しか取れないこと、戦後針葉樹の植林が多くなり漆の木の植林も少なくなってきたこともあり、風土の良く似た中国からの輸入に頼っています。国産の漆は漆器の工程の特殊な部分や、漆の調整用に、利用されています。なお、中国産の漆は日本産の漆の価格の六分の一ぐらいですが、中国も都市化の波に入り、人件費が高くなってきており、価格も上昇ぎみです。そして、日本産の漆は中国産に無いすばらしい性質を持っている(質が良い)、といことも国産漆の価格が高い理由のひとつでもあります。 四段のお重はもうあまり作っていないものなんでしょうか。【B012】 A:お重は四段が基本とだと言われているのは、四季をあしらった食べ物を盛り込んだからと聞いております。最近は価格の問題とか、正月の過ごし方とかで小振りの重が喜ばれます。特に都会では仕舞う場所などの関係からか小さい物が重宝がられます。お重の種類としては、一段重・二段重・三段重・四段重・五段重(替蓋付=蓋二枚)等があります。弊社ホームページにある「ぬり越前ショッピング」では四段重の重箱も取扱っています。四段重の商品画像はこちらです。 どうして黒がベースになるのでしょうか。【B013】 A:精製した漆の本来の色は半透明の飴色をしています。漆器の黒は鉄の酸化物を利用して黒い色を出しています。朱とか他の色は、顔料を半透明の漆に混入して色を出します。しかし漆との相性があり、朱以外は、漆との相性が悪いものが多く、うるしの耐久力が保たれないものが多いです。朱は他の顔料と違って、うるしの強度を強める働きがあります。よって上塗りは朱と黒が基本になっています。 漆器は乾燥に水分が必要って本当ですか?【B014】 A:普通乾かすといいますと、風に当てたり、太陽など熱で水分などを蒸発して乾かしますが、漆は空気中の酸素を利用して乾かします。それで乾きを早める場合には空気中の湿度を高くします。漆は天然の漆の木から採取されますので、木、一本一本漆の性質も違い、又乾き方も違ってきます。それをうまく調整するのが、職人さんの腕の見せ所です。加湿する場合には、「むろ」のなかに製品を入れ、通常布を湿らせて調整します。しかし、湿度があればあるほど良いわけでなく、梅雨どきは湿度が高すぎるために乾燥に失敗することが多く職人さん泣かせです。そんな時には除湿機などを使う、漆を調整するなどの工夫をしています。