漆は電気を通さないと聞きましたが、その場合は漆器を 電子レンジで使っても大丈夫ということになりませんか?【A015】 A:素地が木製で漆塗り製を中心にお答えします。漆は乾燥すると確かに電気を通しませんが、素地の木は植物です。木の目のなかにも小 さな空洞が無数にありそこに空気が入っていますし、木を十分に乾燥して使用しますが、水分もいくらか残っています。その木や水分が反応し、空気が膨張したり、木が煮えたり(?)して、木地と下地との間を剥離してしまいます。従って木製品の場合は電子レンジの使用を避けたほうが良いでしょう。 うっかりして漆器を電子レンジでチンしてしまいました、金色が変な色 になってしまいましたが修理はできるのでしょうか。【A016】 A:木製の漆塗りの漆器を電子レンジにかけると素地の木等が反応して使い物にならなくなります。素地の木には無数の穴がありそこに空気や水分も含まれています。それが反応して気泡が膨らんだり、表現は違うかもしれませんが、煮えてしまいます。金色は書き直せば治りますが、本体のどこかが傷んでいるはずです。絵を修理するのはもったいないように思いますので、そのまま使えるだけ使った方が良いように思います。 古い漆器(汁碗)なのですが、色が変わったところと変わらないところ で、まだらになってしまったのですが、どうしたら良いでしょうか?ま た、そうならないように注意することも教えて下さい。【A017】 A:汁椀や吸物椀は熱いものを入れると段々変色してきます。特に黒塗りは飴色になってきます。言い訳になりますが良く使った証拠です。それを嫌う場合には中が朱塗りのものをお求めになることをお薦めします。そんな関係で汁椀には中が朱に塗ってあるものがほとんどです。また、黒塗りが変色した場合には塗り替えをする方法しかないと思います。 茶碗と比較して飯椀のメンテナンスや耐久性は?例えば、茶碗は使用後のシンクでの浸置きや、水切りかごでの水切りが 出来ますが、漆器の場合可能なのでしょうか?【A018】 A:木製で漆塗りの製品を中心にお答えします。陶器や磁器の食器と同じに考えて良いですが、漆器は電子レンジやオーブンは使えません。高温になる食器洗浄機も避けた方が良いです。普段使いのものは浸置き洗いも言われているほど問題になりません。我が家では浸置き洗いもしていますし、洗った後水切り籠に置いておきます。 食器洗い機、食器乾燥機は、なぜ避けた方が良いのでしょうか?【A019】 A:食器洗い機にも色々ありますが、元来磁器製やガラス、金属製の食器を洗うものとして開発されています。(無機質の原材料)漆器の原材料はほとんどが植物性です。漆は熱や酸・アルカリにも比較的強いものですが、汁も100度C以上のものはありませんし、製造工程でも高い温度を必要としません。洗浄機には特に高濃度のアルカリ性洗剤が使用されています。目に見えない細かいヒビがある場合もあり、そこから亀裂が大きくなる場合もあります。そのため磁器やガラス製も割れてしまう事もあります。また、乾燥機は熱風を利用して乾燥します。上記しましたように何百度もの熱風に耐えられるような作りがしてある訳ではありません。以上のことから漆器は食器洗浄機、食器乾燥器、オーブンなどは避けたほうが良いでしょう。 漆の嫌なニオイのとり方で米びつに入れる、というのがありますが、 お米に匂いがついたりしないのでしょうか?【A020】 A:匂いは米ぬかに移り、米を炊くときは米を洗いますので糠が洗い落とされ、匂いは残らないと思います。うるしは何もしなくても時間が経過する毎に匂いは段々取れていきます。米びつに入れる方法の他に、陽のあたらない風とおしが良い場所に1〜2週間置いておく方法もあります。 子供に与える漆器に関して注意点を教えてください。【A021】 A:木製で漆塗りの漆器(食器)はほとんどの原材料が自然の植物から作られています。品物としての使命が終われば又土に帰っていきます。最近は樹脂製でも割れない(ABS樹脂製)ものも多く出回っていますが、子供はぶつけたり噛んだりすることが多々あります。今まで何千年も使用されていて、格別の問題もなかった木製の漆塗りの漆器はうってつけと思います。特に今問題になっている環境ホルモンも問題ないと思います。子供に与える漆器にはちょっと厚手のずんぐりしたものが良いと思います。派手な絵が付いているものは高価ですし、漆以外の材料で絵が描かれている場合も有りますので、普段使いには無地のものが一番と思います。ちなみに私の子供3人は皆成人していますが、食事の時やおもちゃにお椀を与えていました。転ばしたり、ぶつけたりしていたのが目に浮かびます。